REVIEW music

INU『メシ喰うな!』 ≪評価:5≫

いわずとしれた町田康、否、町田町蔵率いるバンドの名作。実家の整理をしてると飛び出してきたので久しぶりに聴く。北澤組と組んで出したCDほどに歌詞に独自性は見られないものの(やはり『腹ふり』はすさまじい)、やはりところどころに顔を覗かせる町田節…

相対性理論『ハイファイ新書』 ≪評価:5≫

『シフォン主義』で一躍、有名になった彼らの新作。とりあえず「LOVEずっきゅん」をニヤニヤしつつ聴いていたらいきなりギターやベースが跳ね出す後半の展開にやられてしまって、「スマトラ警備隊」で彼らを全肯定することになった僕ですが、今作はそうした…

ソウル・フラワー・ユニオン『カンテ・ディアスポラ』 ≪評価:≫

前作より三年振りの新譜。以下は放言。 思えばSFUの活動は、マージナルな存在への注意の喚起という大きな軸の周りを回転してきたわけだけれども、初期においてはそれがともすれば彼らの表象=代理を行ってしまうという、例えばスピヴァクが真っ先に噛み付き…

夢中夢『イリヤ―il y a―』 ≪評価:4−≫

前作『夢中夢』以来、二年振りの2nd。ひとまず一聴した感じだと、前作よりも音楽性の幅は大きく広がってるなぁと。メタルやらクラシックやらポストロックやらを混ぜ合わせた音という点は前作から変わってないけれど、割と静と動の対照一辺倒で、退屈に感じら…

『La Vie Est Belle』SOUL FLOWER UNION 《評価:4−》

ソウルフラワーの新譜が出ていたことに気付いたので、慌てて買ってきた。新曲2曲にライブ音源が4曲のマキシシングル。二年前に『ロロサエ・モナムール』を聴いたときにも、ここで書いたけれど、最近の彼らの音はほんとに角がとれたように思う。それは決し…

THE NATIONAL『BOXER』 ≪評価:5≫

ええと周辺情報は何も知りません。akiuさんの絶賛を見て購入してみたわけですが、本当によかった。 全体として確かに地味とも感じられる曲が並んでいるけれど、まず何よりも個々のパートの音のバランスがいい。決してどれか一つの音のみが焦点化されておらず…

2006年の音々

もう去年になっちゃったけど音の感想。順位はなし。 『Waiting For The Time To Be Right』THE BROTHERKITE 1stはこれまで生きてきて出会った中でもほとんど完璧な一枚で、今のところ生涯ベスト3どころかベスト1を争う音源だった。なので正直、不安を持っ…

『夢中夢』夢中夢 ≪評価:4+≫

アマゾンにない…。 とりあえずこの作品にコメントを寄せている主な人たちを。ミドリ、赤犬の和歌頭、A×S×E、Melt-Banana、石井モタコ、ロマン優光、ganjaなど。基本的に好きな人ばっかなので、こりゃ聴いてみないとと思ってたわけなんだけど、思ってた音とは…

『NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER xxx!!!』NATSUMEN ≪評価:5≫

NATSUMENの2nd。前作はきっちりとレコーディングされた作品で、割とかっちりした部分とフリーな部分が分かれているように感じたんだけど、この作品はライブレコーディングされたものということで上手くその辺りが混ざっていて非常に気持ちがいい。 それから…

『i am cold+』RIP RIG & PANIC ≪評価:5≫

先頃、再発された1stに続いて同じくprogressive lineから出された2nd。ファンクを基調としつつも限りなくフリージャズに接近していた前作から見ると幾分か、明確なリズムラインが顔を出し始め、それと共にソウル的な面も出てきておりフリーキーさは若干、薄…

『the book』toe ≪評価:5≫

日本のインストポストロックでは有名な彼らだけど、この作品はほんとにいい。ギター、ベース、ドラムというオーソドックスかつシンプルな構成で、一番の特徴は抜けがよくて手数の多いドラムかな。普通はドラムとベースのリズム隊の上に何か楽器が乗っかると…

『GOD+』RIP RIG & PANIC ≪評価:5≫

NEW WAVEを代表するバンドの一つであるPOP GROUP。そのドラムとギターを中心に結成されたRIP RIG & PANICが1981年に発表した作品。昨今のNEW WAVEリヴァイバルのおかげで見事再発されました。 音としてはPOP GROUPの2ndからの流れでファンクが一つの基調とな…

『Learning to Let Go』TERRIS ≪評価:4+≫

2001年にデビューしたイギリスのバンド。出てきた当時は結構騒がれていたみたいだけど(『NME』の表紙になったし日本盤出てるし)それ以降、噂を聞かないと思ったら解散してました。しかしね、このバンドどうしてなかなかかっこいい。 そう思いながらもなか…

『Takk...』SIGUR ROS ≪評価:3+≫

感想書きます。 よく彼らの音を評して天上の音楽とかそういう形容が為されることが多いと思うんですが、で、実際に僕もそうした形容を受け入れていたんですが、この新譜を聴いて何故だかそうした感想が一気に引っ繰り返ったような気がします。何度か今作を聴…

『UNION』Polaris ≪評価:4−≫

Polaris3rd。つまりはDr坂田学脱退後の作品。でもやっぱりここではそれは抜きにして語りたいと思うわけです。 この前のミニアルバム『COSMOS』は、南米系のリズムや音なんかを取り入れてグッとPOPなものに仕上がっていたけれど、今作ではそうした要素は見ら…

『宙の淵』fra-foa ≪評価:4≫

しばらく前(2005/5)に解散してしまったfra-foaの1stアルバム。このアルバムは実は非常によい作品だと思うのです。全体的にミディアムテンポの曲が多くて、ギターがすごくノイズ風味で、Voは好みのタイプCoccoみたいに感情を吐き出すようなスタイル。M-①,②,…

『Splay』Jim Black & AlasNoAxis

ジャズドラマーであるJim Blackが中心となった作品。一応、これは2nd。1stはAlasNoAxis名義で出ていて、3rdは今作と同名義。肝心の音はジャズというよりむしろポストロックに近い。M-①なんか、非常にギターが強調された造りになっていて、軽く轟音風味に。と…

『ロロサエ・モナムール』SOUL FLOWER UNION 

2001年の『スクリューボール・コメディ』からカバー曲や過去の音源が入り混じっていた『LOVE±ZERO』『シャローム・サラーム』『極東戦線異状なし!?』を経て、出されたSFUの新作。 例えば『スクリュー〜』が出たときに僕はかなり開放感を感じて、それはそれま…

『She Like Electric』SMOOSH ≪評価:4≫

シアトル出身(?)の姉妹ユニット。しかも12歳と10歳。こう書くと色物っぽいかもしれないけど、いやはやこれがどうして普通にかっこいいのだ。もちろんドラム(妹担当)なんか、かなり危なっかしいところがあるし、キーボード(姉)にしてもそうなんだけど、…

『感受性応答セヨ』eastern youth ≪評価:4+≫

なんかいきなりだけど。やっぱりいいアルバムだなと思って。イースタンの何枚目になるんだろ? インディーズから数えたら五枚目になるのかな。正直、彼らの最高傑作だと思う。ゆっくりと鳴らされる硬質のギターリフからまさに夜明けのように始まるM-①や、ま…

『Endless Summer Record』NATSUMEN ≪評価:4≫

あれだ、久しぶりに音楽感想をちゃんとするよ。 こちらはBOATのA×S×E(アセ)、アインが作ったバンド。この作品は基本としてはフリージャズちっくなインストバンドなんだけど、そこから例えばPE'Zとかを想像するとちょっと面食らうと思う。というかフリージ…

『ZAMA』imai ≪評価:4≫

ごめん、どういう人かよく知らない。東京の人らしい。とりあえずタワレコの短いポップにはBattlesの前座か何かをしたって書いてあった。 それで気になって聴いてみたんですが、非常に心地よいです。テクノとアンビエントの中間くらいの音なのかな。メロディ…

『electlyric』bonobos  ≪評価:3+≫

シングル「THANK YOU FOR THE MUSIC」が好評だったbonobosの2nd。聴いてまず思うのが、DUB(とかレゲエとか色々)の手法を取り入れてるためか非常にリズムに気が配られていて力強く鳴らされているな、ということでしょうか。生音でのリズムにアクセントで打ち…

『You Forgot It in People』BROKEN SOCIAL SCENE ≪評価:4≫

2001年にデビューしたカナダのバンド。音の印象はポストロック+歌ものサイケ+Sonic Youthといったところ。デビュー作は未聴なんですが、どうやらそちらはよりポストロックに接近した作りだった模様。おそらく今作ではかなりメロディーに重点が置かれている…

『感触バーサーク』クッダチクレロ

ギター二人にドラムというベースレスの変則気味3ピース。メンバー神戸在住。関西のアングラインディーズではここ二年ほど割りと知名度が上がってきているようでして。先日もHELLAの大阪公演の前座もしてたようだし、大阪のそれなりに有名なDOCUMENTというイ…

『The Fall of Math』65 Days Of Static

ふむ。さっきカオティックとか書いたけどあんまりそんなことないや。憶測でものを書いてはいけませんてことさね。ちょっとどういったバンドとかがよくわかりませんが、イギリスのバンドなのかなぁ。バンド名も意味があんまりわかんない。アマゾンで確認する…

『SCIENCE FICTION OF NONE』FLUID ≪評価:4+≫

山本精一とかMELT-BANANAとか、錚々たる面子から推薦されてる四人組なわけですが。とりあえず最初に聴いた時はNO-WAVEっぽい感じだなと思ったけど何度か聴くと、やはりまぁそんな単純なもんじゃないなと感じた次第です。いきなり曲の合間にノイズギターが入…

評価

今日からこの三つに関しては主観的な得点をつけていこうかと。上限5点、下限1点でつけ、あとは必要に応じて±を。つまり一応の最高点は5+となります。

『トリ』にせんねんもんだい

最近、注目度急上昇中の女性三人ハードコアインストバンド、にせんねんもんだい。ん?こうして書くとなんかイエローマシンガンを思い出すな。ま、それはともかく。手数の多い硬質のドラムとグイグイうねるベース、それに金属的なカミソリノイズギター。この…

『DOLL IN THE BOX』CRISTINA

ZEレコードがアイランド・レコードとの提携後、最初のアーティストであるCRISTINA。彼女の1stと2ndがZEより初CD化され、こちらはその1stになります。 そもそもZEとは主にパンクとディスコを融合させた音源を出すために作られたわけですが(そのことが如実に…