2006年の音々

もう去年になっちゃったけど音の感想。順位はなし。

  • 『Waiting For The Time To Be Right』THE BROTHERKITE

Waiting For The Time To Be Right
1stはこれまで生きてきて出会った中でもほとんど完璧な一枚で、今のところ生涯ベスト3どころかベスト1を争う音源だった。なので正直、不安を持って聴いた2ndだけど、これはこれでいい。どうしても前作との比較が入ってしまうので評価がし難いけれども、今作は前作よりも楽器やメロディのバランスがよくなっていて、普遍的にいい一枚になってるような。しかも前作のある種、過剰とも言えるギターを削るのではなく背景に据え、その上で色々な彼らなりの試みをすることで単なるギターロック、ポップな音ではない独自の音になってると思う。前作の過剰なギターがまず好きだった自分としては残念なところもあるけれど、逆にこのバンドがどんな形で音幅を広げていくのかがすごく気になる。と色々書いたけど、akiuさんの「1st の方が「好き」だけど、2nd の方が「良い」な、という印象」という一文に全てが集約されていると思うんだ。

  • 『Johnny Boy』Johnny Boy

ジョニー・ボーイ (Johnny Boy)
2004年に出たシングルから2年、やっと出た彼らの1st。ウォール・オブ・サウンドなんて言われるのも、納得の音の詰め込み具合がコーラスや掛け声、メロディともあいまって、祝祭空間のようなサイケな音空間を作り出してる。まぁメロディが練り込まれてなかったり、粗いと思う部分も結構あるんだけど、全体の雰囲気とシングルの名曲がそれを吹き飛ばしてくれる。自分が買ったのは輸入盤だけどここは日本盤を買った方が絶対にいい(日本盤が待てなかった)。なぜならシングル盤に収められてる、シングル曲の別バージョンが入ってるから。このアレンジがもう素晴らしい。女VoのYEAHYEAH!から始まるイントロからリズムがすぅっと入っていって・・・。いやもうほんといいわけですよ。

デラシネ・チンドン
彼らの思想的な立ち位置にはやはりどこか危うさと引っ掛かりを感じるけれど、そして彼らの音とそうした立ち位置が切り離せないものであることも了解してはいるんだけれど、同時に(逆にそのことが)音の快楽を感じさせてくれる。音ってのはほんとに楽しいものなんだという(もちろんそのことが危険になる場合があることも了解している。そうした微妙な考えをほとんど言語化してくれた文章に一昨日遭遇した)。このジャケの素晴らしいこと!


  • 『NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER xxx!!!』NATSUMEN

NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER XXX!!!
どうしたって傑作なのである。ライブなんだから。音楽の暴力性と快楽は紙一重なことがあまりにもあっけらかんと示されてると思う。(⇒以前の感想




上記のNATSUMENが奔放な音の奔流なら、これは構築された音の美しさ。ここでは計算された静と動の対比が素晴らしい。(⇒以前の感想

Citrus
これも忘れてた。Voが日本人女性。シューゲイザー風味のドリームポップ。といってもギターが前面に出てくる曲ばかりってわけではなくて、Voやベースとのバランスがいい。高い音程のVoとかバックで渦巻いてるようなギター音とかのおかげで地面からちょっと上を飛んでるような音。というか何よりメロディの質が高くてそれだけで十二分にいい作品だと思う。


  • 『You Are There』MONO

You Are There
Johnny Boyの乱入により五枚から外れたけれど、やはりMONOは鉄板か。マンネリ気味と言ってしまえばそうだけれど、それでも好きな音は好きなのですよ。






といったところで去年の音の感想です。五枚が七枚になったけど。他に印象に残ったのは

つかこれは去年一番くらい聴いた音なんだけど。サラっと聴き流させない独特の手触りを持ったメロディと音の作り方。その引っ掛かりに一度立ち止まると、あとはスルメアルバムへと。