2008-01-01から1年間の記事一覧

東浩紀のエントリでなんだか盛り上がってるようで。とりあえず1から3までは立ち位置的にも論理的なことを言ってるとは思うけれど。そのことに問題があるかどうかはさておき。4,5についてはナイーブなことを言っているなぁという。まぁそれが近年の東じ…

初野晴『退出ゲーム』 ≪評価:4+≫

ふむふむ、ほうほう。実に真っ当かつ満足度の高い作品でした。 全四編から成る短篇集で、最初の二編は小手調べといった感はあるものの、解決に至る推理の前提となる部分のロジックが話を展開させる絶妙なフックとなっていて小気味良い。続く「退出ゲーム」は…

ソウル・フラワー・ユニオン『カンテ・ディアスポラ』 ≪評価:≫

前作より三年振りの新譜。以下は放言。 思えばSFUの活動は、マージナルな存在への注意の喚起という大きな軸の周りを回転してきたわけだけれども、初期においてはそれがともすれば彼らの表象=代理を行ってしまうという、例えばスピヴァクが真っ先に噛み付き…

東野圭吾『聖女の救済』 ≪評価:4≫

上手い。前作にはインパクトという点では劣るものの、なかなかの大技トリックを見事に長編に仕立て上げている。ドラマ(及び映画)における設定をさらりと取り込む辺りもまた上手い(ただ福山云々の部分はあざとすぎる気も)。しかし何より今作は構造的に前…

ミニコメ

・東野圭吾『流星の絆』【評価:3−】 この作家にとってはアベレージか。もう少しメロドラマに対する距離感が欲しかったところ。逆にそここそがドラマ化の要因か。事件の真相に関しては程よい距離感≒ドラマに奉仕させない真相が取られていて○。・東野圭吾『…

連休ということで帰省したのはよいが病床の自分。

あれ、夢中夢の新譜、1stより断然いいかも。散漫とか言ったのは誰だ。

夢中夢『イリヤ―il y a―』 ≪評価:4−≫

前作『夢中夢』以来、二年振りの2nd。ひとまず一聴した感じだと、前作よりも音楽性の幅は大きく広がってるなぁと。メタルやらクラシックやらポストロックやらを混ぜ合わせた音という点は前作から変わってないけれど、割と静と動の対照一辺倒で、退屈に感じら…

ZAZENの新譜を聴いて、もやもやとする。どうなんだこれは。とっちらかったものをまとめる強いものがないような。54-71の新譜を聴いて、にやにやとする。初期のFUGAJIから音を抜いていったようなストイックな曲。これは強い、ね。 でもとりあえずはneco眠ると…

後藤和智『お前が若者を語るな!』

パラパラと読む。ま、著者が問題にしていることはわかるし、確かに枠組みありきの立論や、実証性が必要にも関わらずそれがないものなどは批判されてしかるべきだろう。ただまぁそれだけで全部批判した/できたことにはなんないよなっていう。実証性が必要な…

彼岸だから墓参りに行かないといけない。人が多いのがイヤだ。

恩田陸『夜のピクニック』 ≪評価:2+≫

ふむ、長い間、放置していたのをなんとはなしに読んでみた。文庫もすでに出ているけれど、読んだのはハードカバー版なので、画像もそれに準じた。ある目的地までの距離と、主要人物の心理的距離を重ね合わせる、つまりはいわゆるメロドラマ的設定を恩田陸ら…

アマゾンをぶらぶら眺めていて気付いた。ミシェル・フーコー講義集成〈8〉生政治の誕生 (コレージュ・ド・フランス講義1978-79)作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,慎改康之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリ…

柳広司『ジョーカー・ゲーム』 ≪評価:4≫

「スタイリッシュなスパイ・ミステリー」。帯に書かれた言葉が見事にこの作品を表していると思う。何より、「魔王」と呼ばれる結城という人物及びその造形が、各短編それぞれにおいてミステリ構造や影響関係を統括していて(「魔都」には出てこないが)ブレ…

古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』 ≪評価:3−≫

近年、巷で大人気、かどうかは知らないけれど、やたらと評価されているように感じる作者の、一応は出世作というか知名度を上げた作品となるのでしょうか。戦争の世紀でもある二〇世紀を軍用犬の歴史として描きなおした作品。んー、全体としては微妙、ただ面…

門前典之『浮遊封館』 ≪評価:3−≫

" title="浮遊封館" class="asin"> こちらも久方ぶり。自費出版の『死の命題』を除けば、『建築屍材』に続く、7年ぶり(?)のデビュー第二作。一言でいえばバカミス。しかしまぁ帯にある「怪作」という言葉が似合うか。そもそも作者にあまりトリックを隠そ…

谺健二『肺魚楼の夜』 ≪評価:3−≫

こちらは久方ぶりですね。『未明の悪夢』以来、一冊を除いて、繰り返し阪神大震災後の神戸を舞台に本格ミステリを書き続けてきた作者による新刊。やはり神戸が舞台、しかも『赫い月照』に続くシリーズもの。 端的に言って、メインとなる事件とその解決は一時…

詠坂雄二『遠海事件』 ≪評価:4≫

『リロ・グラ・シスタ』でなんというか微妙な曲者っぷりを見せた著者による第二作。こちらはまぁなかなかに手が込んだ作品であり、前作よりも楽しめるものでした。前作でも読者に驚きを与えるトリックを複数、準備し、それらを上手く組み合わせていましたが…

久方ぶりに感想でも書くよ。

今年の夏フェス終了。はぁ・・・。 一日目(8月15日) 七時に最寄り駅から友人とタクシー使用。入場待ちの列に。毎年思うけど、ここの入場方法ってどう考えても失敗してると思う。ずっと変わんないので、このままいくんだろうけど。待ってる間も雨が降ったり止…

三日目。

7月27日 あっという間のフジ最終日。風呂を借りた民宿では、子供がツイスター一人遊びに興じておりました。微笑ましい。 とりあえずMONOを見る必要があるので、さっさとところ天国でバーガー朝食。と思いきや長蛇の列なので、あきらめてビール。というか、昨…

二日目。

7月26日 この日も快晴。久方ぶりのテントサウナ。明け方はやたら冷え込んだのに。風呂に入って、カップ麺とビールの朝食。人間として間違ってる感じがいいですね。 会場に向かうと、吉野の叫びが聞こえてくる。それを尻目にホワイトへ向かうと今度は、凛とし…

7月24日 今年の忙しさのせいで、今年は前夜祭には参加できず。木曜の夜に東京へ飛び、新橋の漫喫で夜を明かす。新橋の駅を出て最初にかけられた言葉は「オニイサンチョトイイコトシテカナイ?」だった。「ちょっといいこと」? 明日からの三日間より楽しいの…

ええと。半年振りに近いですか…。僕は生きてます。仕事が忙しくてなんともはやという感じでして。 とりあえずフジに行ってきましたよ。なんやかんや生きてるうちに、もう今年で9回目のフジ。まぁ去年は行ってないに等しいので実質8回目だが。今年は二日目…

犬村小六『とある飛空士への追憶』 ≪評価:4≫

というわけで、さらさら読めるものを適当に物色して。いくつかのサイトで好評価でよさそうだったので。 うむ、非常に適度に上手くまとめられたボーイミーツガールもの。戦時中に、皇子の婚約者(すんごい美人)=次期皇妃を首都に避難させるために彼女ととも…

仕事にヒィヒィです。でもとりあえず今年の夏にはマイブラが見れることを希望にして。と、都市型フェスのジザメリとスピリチュアライズドとウェラー先生とXLとヴァーヴなんて全然くやしくないんだから!

鳥飼否宇『官能的』 ≪評価:4+≫

いやぁ鳥飼否宇のスタンスっていいですね。 短編三本+それらを繋ぐ一本という、一時期、創元社がお得意としていた連作短編集。それぞれのタイトルがカーのオマージュになっている(そういえば『密室と奇跡』にも書いていましたね)。とりあえず手法的な点で…

道尾秀介『ラットマン』 ≪評価:4≫

あぁ、シンプルでいいミステリを読みました。以下、構造を簡単に。

汀こるもの『パラダイス・クローズド』 ≪評価:2≫

正直、こういう作品には評価は辛くなるよ。「本格ミステリを打ち倒そうとする新人」云々という帯の言葉を、あの有栖川が書いていることからもわかるように、「本格」という枠を何ら抜け出すものではない。これは単に枠組みの一段上に立っているように見える…

ひゃー。一ヶ月も更新なし。最近、ようやっと読めたものの感想を簡単に。とりあえず今のところベッドの横に積んでいるのは『官能的』と飛鳥部、円城塔の新刊なのだが、いつ読めるのだろう…。『犯罪ホロスコープ』はちびちび読んでるんだけど。 最近、聴いた…