さぁさぁ今年も夏が終わってしまったよ。くそやろう。

1日目(8月14日)

今年もバス待ちの列を尻目にタクシーに乗り込む。少しでも早く行くのである。運ちゃんが、フジに行く際のフェリーで捕まったおっちゃんに顔もしゃべりもその内容もそっくりで一人で笑いをかみ殺す。なんであの手の人は会社を持ってることを真っ先に話すのでしょうね?今年のエゾは入場ゲートの位置が若干、変更。そしてなんと入場待ちの列がテント組とレジャーサイト(荷物少ない人)組という形に。そうだよ、バスと車組を分けるとかいう意味不明なのよりこっちがスムーズだわ。今年は場内にテント場所を取ったので移動がラクだった。
テントやらタープやら設営してから友人とまずはグッズ売り場に。何も買うつもりなかったのに、デザインにひかれて一枚買ってしまう。それから乾杯。フジのビール600円から見ると、400円が良心的価格に見えるから困る。このとき食べた寄せ豆腐300円は、今年のベスト飯かもしんない。基地に戻って、サンステ一発目の横山健を聴きつつ、なおもダラダラする。ビールとラムを飲んで酩酊気味に。ドラムがあまりにもメロコアの叩き方でちょっと懐かしい、なんて思ってたら、ハイスタの「STAY GOLD」やりやがった。周りのテントから次々とステージに向かって駆けていく人、人、人。これはちょっと反則だ。さんざんっぱら楽しくやった後に重い腰を上げる。この、友人たちと別れて一人でステージを見に行く瞬間って、フェスだなぁという感じがして好きだったりする、のは自分だけですか、そうですか。

THE BOOM@レッド

toeと被っていて、死ぬほど悩んだけれど、やっぱり活動再開後、初のライブということで。しっかし楽しみすぎて、ラムコークをごくごく飲んでたらやたらと酔っ払ってしまった…。横で待ってる人に、ブームじゃなくて天気の話をするとか、もう、ね。ライブは最高でした。いきなり「星のラブレター」から始まり、「帰ろうかな」をやって、うわぁと思っていたらなんと次に「からたち野道」が。それからも「ブランカ」「真夏の奇跡」「そばにいたい」と昔の曲を次々と。それから「神様の〜」「24時間の旅」、新曲をやって、最後は「風になりたい」「島唄」で〆。こうしてみると、一般的なブームのイメージに応えつつ、ブームの歴史を追ったセットリストだなぁ。ミヤさんも非常に真摯なMCで良いライブでした。一発目にして本日のベストアクト決定。

パスカルズボヘミアン

着いたらちょうどスタート。あまり人がおらず全員座っていたので、ステージ端の最前列まで行って座って見る。元たまの二人がいる大所帯バンド。様々な楽器を使って牧歌的orメルヘンチックで無国籍な音を出していました。事前に聴いたときはちょっと中途半端な感じがしたけれど、実際に生で連続して聴いてみると、体を揺らしつつのんびりまったりとしていて、これまたとても良いライブでありました。やっぱりこの手の音は生でじっくり聴くに限る。あまりにも音が気持ちよく且つ酩酊していたので、中盤の数曲は寝転がって寝てしまった…。
その後、飲み食いしつつブラブラ歩く。レッドまで戻るもボノボの人の多さにびっくり。吉川晃司を見るか真心を見るか悩んだ挙句、真心に。

真心ブラザーズ@グリーン

まぁまぁよかった。2006年のステージに比べるとどうしても落ちるけど。「拝啓ジョンレノン」で始まって「素晴らしきこの世界」「空に舞い上がれ」「ドカーン」(!)とやってくれたので満足です。しかし「サマーヌード」はやんなかったなぁ。個人的には、真心は昼か夕方の時間に、もっと開放的なステージでやった方がいいライブになるんじゃないかな、と。今年のグリーンは屋根はないけどステージの前の方にハンモックとかがあるブースみたいなのがあって、真正面遠くからはステージが見えなかったので。
終了後はムーンに行って、まりんを少し見る。でもちょっと肌寒くなってきたのと、最初の数曲がまったりとした感じだったので、切り上げてテントに帰る。後で聞いたところでは、それからが良かったらしい。くそぅ。テントではバーベキュー。今年のメインアクトの一つである。肉がうまい。ササミがうまい。食って飲んでしゃべる。よく店でやってることなのにさらに楽しい。後ろではエレカシが演奏中。「風に吹かれて」はやっぱ名曲だよな。

OKI DUB AINU BAND@レッド

本日の最終。2007年のライブが非常に良かったのもあり。でもそのときよりは入り込めなかったかな…。当時の感想でも書いたけれど、音色の執拗な反復によって、むちゃくちゃ気持ちいい瞬間が訪れるときは確かに何度かあるけれど、同時にその反復が退屈な瞬間も生み出していて(おそらくは聴いてる側にとって、反復がまさに反復によって全く別なものへの変容を伴う瞬間があって、それこそが気持ちいい瞬間になるんだけど、変容を伴わない反復は退屈に感じられる、ということなんだろう。ちなみにここでの「変容」は「身体性」と置き換えてもほぼ同義な気がする)、アンバランスな印象だった。ライブがちょっと長かったのもだれて感じられた原因かな。
テントに帰りつくとすでに3時前。就寝したのは4時前だった。明日の体調が心配だ…。

2日目(8月15日)

6時過ぎに、隣のテントのいびきで目が覚める…。規則正しい寝息ではなく、やたらと浅くて早いいびき。たまに止まる。完全に無呼吸症候群じゃねーか。気になってなかなか寝付けず、ようやっと寝たと思ったら例年通りのテントサウナで強制起床であります。友人とエゾ名物、ガチャガチャバッヂを見に行く。一回だけやったところ、出てきたのはマスドレのバッヂ。えーと、これは某友人にあげたらいいのかなw 寄せ豆腐を再度、食しつつテントでのんびり。このとき友人が差し入れしてくれたチーズナンもまじうまかった。

SAKEROCK@レッド

あんまり好きじゃないんだけど、特に見るものもなかったので、なんとなく。というのも曲はまったり聴けて良いけど、MCが長くてだるいんですよね。それが好きな人にはいいと思うけど。とはいえ、このときのライブはなかなかよかった。リハで「残酷な天使のテーゼ」を吹いてみたり、通り過ぎる人に「入場規正を起こしてみましょう!」とか言ってみたり、ゆるいながらもどこか節度(?)のある雰囲気があったと思う。途中に挟んだ、鬼平〜妖刀〜DIのりピービヨンセの一人芝居は悪ノリ感あったけど、あんまり後にひきずらなかったし。まぁ半分ほどで、キョンキョンに移動したってのもあるかも。

小泉今日子@グリーン

人。とにかく、人。そりゃあキョンキョンがこのステージってのは無理があるよなぁ。人が多すぎて、ステージなんぞほとんど見えやしない。なんとか人の隙間からちょろちょろステージが見える位置に行く。かわいすぎるだろ常考。43歳なんだぜ? ライブは、まぁ完全にミーハー根性丸出しで行ったのでアレなんですが、悲しいかな声量がないし音程もわりかし外すという感じで(想定の範囲内ですが)。セットリストは、大して知らない僕が知ってる曲がかなりあって楽しかったけど。「渚のハイカラ人魚」を20年振りにやったらしく、貴重なものが聴けました。「キュートなヒップに〜」をまさか自分が歌う日が来るとは。「あなたに会えてよかった」とか「イノセントラブ」とかやったし、ラストは「学園天国」だったし。
終わった後はテントへ。BEGINをテントでまったり聴こうと。

◆BEGIN@サン

いやぁ去年のレッドでのライブが素晴らしかったけど、今年も良かった。相変わらずほとんど曲ごとに「次は〜〜という曲をやります、聴いてください、よろしくお願いします」と腰が低い。曲は、新譜からの曲を交えつつ、一昨年と割と同じような感じ。ライブの定番曲って感じなのかな? どれもいい曲で歌詞も染みる。友人たちはステージを見に行ったので一人で肉を焼きながらまったりと見ていたけど、晴れた夕暮れ時で、空が絶妙に綺麗で、いやぁ至福のひと時でした。終了後に帰ってきた友人も大興奮。
それからいよいよ本日のメイン、ユニコー…ではなく、もちろん吾妻さんを見に行く。

吾妻光良&The Swinging Boppers with 松竹谷 清@レッド

以前に一度フジに出たことのある彼ら(2004)。でもその時はキヨシローと被っていて泣く泣くあきらめたのでした。今思えば、その判断は結果的に、自分にとってのキヨシローラストライブとなったわけで、こじつけだけれども今年、その吾妻さんが来るというのは、めぐり合わせだなぁと思ったり。ライブはこれまた当然ながら最高。「肉を喰おう」やら「バッチグー」やらをやってから松竹さんが登場してしっとり二曲やってから「モンキージョー」。それから「150〜300」(血圧がw)とかやって、アンコールで「かっこいいよね福田さん」。これ初めて聴いたけど、爆笑。ええと歌詞はうろおぼえだけど、歴代の首相と福田前総理を皮肉交じりに比較した歌。「竹下さんは消費税 バブル崩壊は海部さん 小泉さんは自衛隊派遣 結構みんな過激 でも福田さんのしたことはガソリン代の値上げくらい かっこいいよね福田さん」とか「最後に捨て台詞 あなたとは違うんです かっこいいよね福田さん」みたいな感じでw 音もベテランだけあってすごかった。吾妻さんのギターはギャンギャン唸るし、ホーン隊は淡々としつつも見事な音を吹かすし。CD音源は少し聴いてたけど、生で聴くと迫力が全く別物で、素晴らしかった。

渋さ知らズオーケストラ@サン

開催直前に、何かキヨシロー関連のことを一瞬行うとのアナウンスがあったので、何かと思ってたんだけど、蓋を開けてみれば、まぁそのなんだ、フジと同じだった。以前のエゾでの「雨上がりの夜空に」を映像とともに流すって形。
渋さのライブは、今年のフジでも見て、でもどうもマンネリ気味だったのですぐ抜けたんだけど、蝦夷ではメインステージでやったこともあって、音の厚さが違っていて、割と楽しめたかな。まぁ基本はいつもどおりの感じだったけど。

◆The Barthday@サン

実はバースデイのライブはちゃんと見たことがなくて、この機会にちゃんと見てみようと。「涙がこぼれそう」から始まったこのときのライブは、いつもに比べてどうかはわからないけれど、とても良かった。今のメンバーになってからの音源もほとんど聴いてないけれど、ミドルテンポの曲が多くて、どれもなかなかにいいメロディだった。中盤でチバが「アベフトシの分までオレはやりつづけるぜ」と一言言ってから始めた曲(「カミナリトゥディ」て曲らしい)が、テンポは遅いのにものすごくヒリヒリしていて素晴らしかった。あとギターがリフ重視ではなくて単音を転がすようにギャンギャン弾いていくスタイルで、ミッシェルとわりと対照的なのが興味深くもあったり。きちんと音源を聴いてみようと思わされた良いライブでした。
というか、この辺りからそろそろ体力が限界、というか眠気が強烈に襲い掛かってくる。強いアルコールを入れつつ、なんとかレッドへ。

quasimode@レッド

近年のエゾは、レッドに必ずジャズ枠があって、とてもいいことだし続けてほしいっす。そんなわけでクラブジャズで大人気(?)なのかはよくわからんがクオシモード。いやぁ人が少なかった。ちょっと時間帯的にかわいそうだったかなぁ。死人のようにそこかしこに人が寝転がりだす時間なので。あとレッドが押していて、20分くらい遅れたのも影響したのかもね。ライブはこれまたなかなかによろしゅうございました。当たり前だけど演奏レベルは高くて、各パートの見せ場を設けつつ、どんどんあっためていくという、実にスマートかつ楽しいライブ。まぁ個人的にはもうすこしスマートなだけじゃなくて、ぐちゃぐちゃなカオスになったりする瞬間があったほうが好きではあるけれど。徐々に盛り上がっていったそのもう一歩先がなかったかなという感想。余計な一言としては、キーボードのしゃべりが下手だった。ちょっと妙な間合いでしゃべって、しかもたびたびかむもんだからどこで応えたらいいのかがわかんないの。

終了後は、ボヘミアンでやっている、「真夜中に初期パンを」とかいうものを覗きにいく。なんかね、出演してたいろんなバンドの人たちが初期パンクをやるってやつだけど、正直クソみたいなステージだった。いやまぁ演奏している人のファンだったら楽しいんだろうけど、単に初期パンクが好きな自分みたいな人間が見に行くもんじゃなかったね。ということですぐに抜け出してテントへ。サンでは勝手にしやがれ、アースでは8otto。うはは、どっちもドラムボーカルだ、とかどうでもいいことで楽しくなる。ここで眠気がピークになったので、朝日に備えて仮眠。去年はこれで寝過ごしたわけだけど、今年はきちんと起きれた。ピロウズは別段、思い入れがないのでボーっとしつつ聴いていると、見事な朝日が。いぇー。ステージが終わって、U2が流れ出す(去年までとは違う曲だったな)。あぁぁぁぁ、今年も終了だっつーの。その後は毎年恒例のグダグダだけど一番楽しいかもしれないタイム。残った肉やら何やらを焼いて、周囲にお裾分けしつつくだらない会話を続ける。だって帰りたくないんだもんよ。ということで、今年のエゾ終了…。また来年。あぁそうだ、今年は確かに人が少なめでかなり快適だった。いろいろ思うことがある方々が聞くところではいるようではありますが、ね。