『宙の淵』fra-foa ≪評価:4≫

宙の淵
しばらく前(2005/5)に解散してしまったfra-foaの1stアルバム。このアルバムは実は非常によい作品だと思うのです。全体的にミディアムテンポの曲が多くて、ギターがすごくノイズ風味で、Voは好みのタイプCoccoみたいに感情を吐き出すようなスタイル。

M-①,②,③と曲調も歌詞内容も比較的重い曲が続いた後に郷愁を誘うM-④,他とは違って若干、突き抜けた明るさで生の肯定を歌うM-⑤という曲順が素晴らしいと思う。というのもこの曲を最後に持ってこずに、これ以降はまた生への疑問などの重い曲が続くんですが、そこが非常に正直な造りだと思うわけです。また、こうした構成になっているからこそM-⑨で全ての音が鳴り止んだ後にもう一度音が鳴り出すという展開が意味を持ってくる、のだと。色んな意味付けができるだろうけど、初めて聴いた時にこの展開にはやられたと思った。

2ndではノイズが押さえ気味になるなど若干、方向性が変わってあんまり好きではないけど、この作品は隠れた名盤だと思います。というかアマゾンで見たら廃盤ぽい。しかも中古値上がりしすぎだべ、8500円て。