夢中夢『イリヤ―il y a―』 ≪評価:4−≫

イリヤ-ilya-
前作『夢中夢』以来、二年振りの2nd。ひとまず一聴した感じだと、前作よりも音楽性の幅は大きく広がってるなぁと。メタルやらクラシックやらポストロックやらを混ぜ合わせた音という点は前作から変わってないけれど、割と静と動の対照一辺倒で、退屈に感じられる部分もあった。今作はジャズチックなドラムや進行なんかも取り込んで、それからただひたすらクラシカルな美しいメロディーだけでなく、若干、ポップ、というか歌謡曲的なメロディーも顔を覗かせつつ、彼らなりのカオティックな世界が構成されております。でも正直、ちょっと曲の中に展開を詰め込んでいて、全体的に散漫なところが無きにしも非ず。曲単位で見ると良いけれど、アルバムを通して聞くと胃にもたれる、そんな感じを受けました。実際、何度か聴くと曲の好みというものがはっきりしてきて、アルバムというよりは好きな曲を選んで聴くという形に個人的にはなっています。最近、知名度があがっているようなので、これからどう活動していくのかも楽しみです。