『殺人ピエロの孤島同窓会』水田美意子 ≪評価：１≫

ミニコメ。つか書くことがない。
まぁなんだ。12歳でとりあえず物語を完成させる辺りはやはり力がある、のかな。大森望の解説を見るとこれ以外にも二本書き上げてたみたいだし。ただそれはあくまで作品を書き上げる力、としか言いようがない。特に文体等に意識的というわけでもないし。選評で「ブラックなタッチ」とも言われているけど、それは多分に荒唐無稽な設定と登場人物の描写が出来ていない辺りに拠るもの。大森望はなんでこれを「二十歳男女のありえないバカっぽさをリアルに描く」なんて言うんだろ。とりあえず登場人物の年齢はとても20歳に見えず、小中学生にしか思えない。ま、大森の言うように販売戦略としては成功だと思う。けどミステリとして見るべきところはないかな。物語をまとめる力はあるんだから、もう少し外枠に自覚的になれば面白いかもしれない、と思う。