ひぐらし綿流し編

この話が終わった時に僕は意地悪い方向から推理をした。この話では魅音が犯人であることを自白して終わるわけだけど、解決編がある以上、違う犯人がいるんだろうと。でも話から考えるに全く別の人物が犯人であることはありえない。例えば圭一との電話にしても詩音と偽って話せるのは双子である魅音しかいないから。というかこの部分で思いついたことだけど、双子が出ている以上、入れ替わりは誰でも疑うし、現に圭一は詩音の振りをした魅音だと考える。そんな読み手を欺くにはどうしたらいいか。簡単なことで三つ子にするその構図をもう一度逆転してあげたらいいわけですよ。しかも圭一は村長が失踪するまでに詩音が彼にあることを伝えられないと考えたから、電話の相手を詩音ではないと考えたわけだけど、それってつまり失踪する直前に村長と詩音が会っていたと考えることで可能になる。んでそこで何か諍いが生じて詩音は村長を隠してしまった。そう考えるとお祭りの辺りで魅音と詩音が入れ替わったという可能性が出てくる(入れ替わりがばれたので拉致/殺害せざるを得なかった?)。実際、祭り翌日の学校で圭一は雰囲気の違う魅音に質問を受けるけど、それも詩音だったと考えれば。
そう推理してたんだけど致命的な矛盾が出てくるんだよなぁ。結末近くで魅音(推理では詩音)に連れられて、圭一が地下牢に閉じ込められた詩音(推理では魅音)と出会う場面があるけど、そこで詩音は魅音に対してちゃんと「姉」と呼んでる。この一点で推理はガラガラと崩れ落ちたわけです(笑)。ここさえなければその後、地下通路で発見された魅音(詩音)は実は捕らえられていた詩音(魅音)で、真犯人の魅音(詩音)は地下牢にいた方を装って警察の手を逃れる、そして圭一を刺した後に自殺、という筋書きが書けると思うんだけど。
む、まさか話中で詩音が魅音を姉と明言してるのは、二人が入れ替わってる時だけで実際は詩音=姉、魅音=妹という叙述トリック!? 確かめたいけど読み返すのしんどいや。でもいくら双子とはいえ指紋は異なるよね、確か。それを警察が見逃すはずはないから結局、間違いってことかな。まぁ入れ替わりを見破ることは究極的には決定不能だけど*1。ま。ともかく解決編。まずは鬼隠し編の解決。いいや今からちょっとしよう。

*1:氷川透『人魚とミノタウロス』参照