『新・世界の七不思議』鯨統一郎

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)

アトランティス大陸の正体とは? ストーンヘンジやピラミッドの謎とは? 『邪馬台国はどこですか?』で邪馬台国の場所や聖徳太子の正体、イエスの復活の秘密等々を寂れたバー〈スリーバレー〉にて解き明かしてしまった常連客の宮田が今度は始皇帝やモアイ像、はてはピラミッドやノアの方舟の謎まで解き明かす!?

 や り す ぎ だ 
これで感想は終わりといっていいんですがね。簡単に前作と比べながら書いておくと、さすがに前作より無理な展開や牽強付会な部分が目につく目につく。前作はもう少し丁寧だったぞ。これでは一瞬でも読者を納得させるのがつらいと思う。ラストでは東京創元社お得意の連作に仕立て上げるという趣向を狙ってるんだけど、これも不発、というか取って付けたように最後にそんなこと言われてもねぇ、という感じですね。ま、前作と同じことを期待して買わない方がいいかとは思います。かといってバカミスとして笑いたいなら、おそらく今月の講談社ノベルスの『タイムスリップ釈迦如来』を買った方がいいと思うので、そういう意味では中途半端かも。一応、まだ良かった短編を挙げるなら『ノアの方舟の不思議』か『始皇帝の不思議』かな。『ノア〜』の方の考えは特に新しいとは思えないんだけど。