しんしんと雪が降る。
ベランダで煙草を吸いながら、建物をフレームにした風景を見る。
街灯のオレンジに照らされた雪だけが、その中で生きている。
耳に入るのは、時折通る車の音と誰かの笑い声。そして煙草の燃える音。
まるでとびきり硬質のアンビエントに浸っているような感覚。
その瞬間、あたりまえのことに思い当たる。
無音も音楽の一つなんだ。