『フォックスの死劇』霞流一

フォックスの死劇
バカミス代表作家?の霞流一の第二作。彼の作品を読んでいつも思うのは、笑えない、の一言につきる。ほぼ全ての作品に抱腹絶倒だとか笑える作品ということが書いてある。作品中の人物や彼らの行動なんかも明らかに受けを狙っているけどそれらが悉く面白くない。いやもしかしたら作者はそれをわかって書いているのかもしれないけど。編集者は作品を読んで本当に笑ってるんだろうか。不思議だ。
ただ、そうした小さなギャグがいくつも重ねられることで一種独特の雰囲気が出て来ているのもまた確か。それが面白いとまではいかないけど、独自の世界にはなっている。漫才で言うと笑い飯みたいな感じかなぁ。それにそうした世界の中に大技トリック、まぁお馬鹿なものが調和してる。でもそれ以上のものは感じられない。『首断ち六地蔵』が出た時はちょっとこれからに期待したんだけど、その後はあんまり変わりなかったし。おっと、作品の感想を書いてないや。全体の感想としてはいつも通りなんだけど、この作品はまだ解決部分のロジックがある程度の必然性を持ってる。ある程度だからひっかかるところはいくつもあるんだけど。う、思い入れがない作品だとちゃんと書けない…。いかんなぁ。