ZAZENBOYSとナンバガの違い。僕にとってそれは、たぶん田淵ひさこの存在の有無。僕は彼女のギターが好きだ。ZAZENは向井とアヒトのバンドでもあるし、土台はナンバガと同じといっていいと思う。(もちろん日向秀和のベースも存在感はあるけど)でもそこに彼女のかき鳴らすギターがのるかのらないかで両者の間には決定的に違う何かが生まれている。あくまで私見を言うならそれは透明感なんじゃないか。初期のナンバガに切なさや透明感があったのは曲を聴いても明らかだけど、それがなくなったと言われる2ndや3rdにも僕はそういったものを感じる。でもZAZENからはそれはもう感じられない。さらに言えばナンバガにあったざらついたギターも奥へと引っ込んでいる。そう考えるとナンバガってのは彼女のバンドだったとも言えるんだなぁ。いや僕にとってですが。01年のフジでナンバガを見た時に、彼女がその中で一番存在感を放っていたのはきっとそういうことだったんだ。だからこそZAZENはまだ手探りの状態なんだろう。それがどこかに到達したとき、どんなものを聴かせてくれるのかがものすごく楽しみ。と同時に田淵ひさこのバンドがなくなったことが少し、いやかなり悲しい。