『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』北上次郎×大森望

読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド
SIGHTに連載されてた書評ガイドをまとめたもの。取り上げられてるのはまぁエンターテインメント全般て言ったらいいかな。僕はこの二人でどちらを支持するか(どちらが合うか)と言ったら大森望なんだけど、それはこの本でも変わらず。北上次郎はある種、非常に古典的な文学観がベースなのかなと思うし、それにこの本ではなんかあまりにも主観が入りすぎで、それがちょっと・・・。こんな企画では自分の主観を出していった方がもちろんいいんだろうとは思うけど、自分が気に入ったものを大森に批判されると別なところで批判の材料にしてるものを持ってきて擁護したり、痛いところを突かれると「オレこういうの好きなんだよね」と逃げたり。仮にも評論家と名乗るくらいならもう少しきちんと自分の気持ちを言語化してほしいなぁ。ま、冒頭でいきなり『黒い仏』を作者の恣意的な作品として読んでるってのがひっかかったからね。第一印象が悪かったかも。でもやっぱ、いくら現代本格に親しんでないからといってももう少しコンテクストを読んだ方がいいんじゃないかな。だって著者紹介にはミステリー評論家ってあるんだし。ただ単純に読み物としては面白かった。大森望のひねくれさがよかった。