無戒秀徳アコースティック&エレクトリック

無戒名義でのライブはこれが二回目。ワンマンでは初めて。それなりに楽しかったです。曲に関しては以前見た際とあまり印象は変わらず、アコギ一本という伴奏のおかげで無戒の歌詞がナンバガやZAZENの時より直接的に伝わってきます。彼の言葉に共感するだとか感銘を受けるということはとりたててないけれど、それでも断片的に耳に飛び込んでくる歌詞が、頭の中で唐突に一つの風景を描き出すことがあって、しかもその風景が(僕というフィルターを通してであるにせよ)独自の世界観であるというのはやはり歌詞に何かしらかの強度が備わっているんだなぁと、聴きながらつらつらと考えていました。
この無戒秀徳ではナンバガやZAZENの曲が歌われるわけですが、おそらく彼は自らの歌詞の強度をあげていく、ということに意識が向いているのかなと思わされます。いくつかのキーワードを何度も使用することで、その言葉によって表されるであろう世界観の強化。その萌芽はナンバガ時代から明らかに認められましたが、ZAZENではその意思がさらに明確に出てきている。そしてそれと並行するかのように始動したこの無戒秀徳名義での活動はこうでした。別な言い方をするなら、向井にとっての「冷凍都市」とはBJCにおける「JET CITY」なのかもしれません。脱線しましたが、以下ではライブで面白かったことを。
第一部のラストで、客を一人ステージに上げて歌わせておいて、自分はMCを始める向井。そして歌い続けるべきか否かに迷う女性に「彼氏」といって寄り添う向井。第二部の後半では自ら「せからしか」「ススキノ」「札幌」などの言葉をマシンに取り込み、即席DJ。何より笑ったのが「きょうこはせがわナンバーワン」という魂の叫び(笑)そんなに好きなのか? さらに客の男性に「サ○ボマスター!」と言わせ、女性には「結婚しようか」と言わせる向井。それでまたDJ。
他にもエレキの方で弾いたリフをこれまたマシンに取り込んで、それを重ねていって一人ジャムなんかもしてた。あとそれにあわせてドラムソロもしてたっけか。かっこいいとは言えないけれどきっちりとエンターテインメントになってる辺りがさすが(?)と思った。ギター一人ジャムではアンディ・ギルっぽいこともしてたな。最後はあっさりと終わったのがちょっと残念。