『空の中』有川浩

空の中

200X年、高知沖の上空20000mで民間機と自衛隊機が相次いで謎の爆発事故を起こした。原因を調査する民間会社の春名高巳は、爆発した自衛隊機と共に飛行していた武田光稀との再度の現場調査の際に高度20000mで信じられないモノを目にする。一方、事故死した自衛隊員の息子、斉木瞬は事故のまさにその日、海岸で謎の白い生物を見つける。二つの間に何か関連があるのか。

ううん、これは中々に感想の書きにくい作品であるのでした。それは何もじょじつトリックとかじゃなく武田光稀萌えだから物語が非常に王道の造りをしてるからなんですね。いわゆるファーストコンタクトSFです。その手の作品としてほんとに基本をきっちりと押さえた物語展開が為されていると思います。王道だけあって展開は割と読めるんですが、それでもページを繰る手を止められず。それはたぶん武田光稀登場人物や知的生命体の性格や配置なんかが上手いからかなと。

まぁどうも結末で親子関係に全てが収斂していくようなところがあったりして、その辺りが自覚的にしろそうでないにしろあざといなぁとも思うわけですが。他にも解離性同一性障害の使い方が中途半端とか反対派の描き方があまりにもステレオタイプだとかいくつかちょっと首を傾げるところがあるにはあるんですが。単純に武田光稀にいい話に会えてよかったなということで。読了直後より評価は下がりましたがおもしもうねほんと武田光稀萌え。466〜468pの描写とやり取りには萌え死にそうです。美人で自衛隊パイロットの知り合い欲しいなぁ。もちろんいつ何時も喧嘩腰で。もちろんちょっと奥手で。もちろん意地っぱりで。もちろ(以下ry