2004年ベスト④

merry merry

  • 『merry merry』EGO-WAPPIN'

前作から二年振りに出された彼らの作品は、前二作である程度確立されてしまった感がある
JAZZ+昭和歌謡という路線から大きくはみ出したものとなっており、
彼らの音楽的バックグラウンドの大きさを見せ付けられる作品となっています。
まずM-1の音響的なインストに驚かされ、続くM-2、3のニューウェイブの影響が伺える奇妙な
ギターカッティングとVoの絡み合いからは大きな高揚感を感じます。
というかこのニューウェイブっぽいギターの使い方がこの作品全体の鍵となっているのかもしれません。
多くの曲で音数の少ないギターリフなどが心地よさを生み出しているのです。
M-4、5などのようにJAZZ要素を持つ曲もありますが、個人的にはM-6のような
これまでの彼らの要素を詰め込んだと思われる曲が素晴らしいと思います。
音や曲構成も凝ったものとなっていて、聴くたびに以前には気づかなかった部分で
にやりとさせられるといったことが未だにあります。
JAZZ+昭和歌謡という路線を求める人にはとっつきにくいかもしれませんが、
尖がった部分を絶妙のPOPさで包んでいるので、それ以外の人には是非とも一度聴いてもらいたい作品です。