2004年ベスト③

Sonic Nurse

前作『Murray Street』でこれまでの二本柱、良質のギターロックと
ノイズや音響といった実験的な要素を見事にまとめ結実させた彼ら。
今作はその流れを引き継ぎ、そしてさらに進化させた作品といえます。
初期のような荒々しいギターやつんざくようなノイズは少し影を潜め
全体的に柔らかな感じの仕上がりとなっている作品ですが、
時折顔を覗かせるノイズやギターリフはあくまでもSONIC YOUTHのものとなっています。
そしてその双方のバランスの取り方はまさに絶妙なものとなっていると思います。
そのせいか同じ曲、同じ部分を聴いていても淡々と乾いた印象を受ける場合と、
非常に熱狂的とでもいうべき印象を受ける場合の二通りがあるように感じられます。
現時点での彼らの最高傑作、とはいいませんが(作品が多いので)一つの到達点と見てもいいかもしれません。
20年間現役ながら、彼らならではの作品を飄々と創り出してしまう点はやはりすごい、と思わされた次第です。