『ZAZEN BOYSⅡ』ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYSII

ZAZEN BOYSの2nd。前作より一年経たない内にリリース。早い(笑)最初に書いてしまうならこれは傑作です。メンバーの一体感が素晴らしい。1stでは正直、アヒトのドラムの上に向井の詞世界をラップ調で乗せるためのバンドに感じられた。というかユニットかな。だからバックの音は確かにかっこいいんだけど、そっちに耳を向けようとしても向井の歌に無理矢理突き合わされてしまうような感じを持ってしまう、気がする。それはそれでいいんだけど、もっと軽やかに出来ないものかね、と思ったのも事実。それがこのアルバムでは見事に達成されてる。
向井のダブ、ファンクへの志向はナンバガの3rdから明確に現れていたけどまだまだ上手く取り込めていなかった。それがわかるのがベースの鳴り具合。ナンバガでは今一つベースが効いてない。歌ってないというか。いや鳴ってるんだけど、ギターとドラムの音であんまり目立たなくなってるんじゃないかな。この作品では三つの楽器の音のバランスが丁度良くてギターもドラムもちゃんと鳴ってるのにベースのうねり具合がきれいに聞こえてくる。その辺りのバランスはまさにポストパンク、ニューウェイブ直系とも言えて、さらにそれをPOPにしてる。これはもう最近の海外のニューウェイブ云々のバンドに引けを取らない、というか超えてると思う。ただ「黒い下着」なんかはちょっとこの中では真っ当なROCKに聞こえて、ちょっと浮いてるかも。どうせするなら「DAIGAKUSEI」みたいにもっとギターを跳ね回してほしかった。なんかグダグダ書いてるけど、とりあえず視聴して下さい。今年のベスト級の作品。