『PRESS COLOR』Lizzy Mercier Descloux

Press Color
ええとあまりよく知らないんでリジーの紹介なんかはしません。これは79年に出た1stの再発ですね。再発ってことでソロに加えて、彼女が以前に活動してたバンド、ローザイエメンの音源など(10〜)が入ってる。いや何の気なしに買ってみたらこれがかっこいいのなんの。楽器はほとんどギターとベース、ドラムという最小限の構成だし、音をいくつも重ねるわけでもないんだけど、不思議とあまりスカスカな印象は受けない。おそらくそれは前半ではベースのしっかりしたラインとそれに絡んでいくギターのバランスが絶妙だからだし、後半(ローザイエメン)はギターの単音を重ねることで音に隙をなくしてるからだろう。前半のソロではドラム、パーカッション、ベースが強調された音作りでファンクの要素が強い。そこにリジーの歌がのるんだけど、楽器がしっかりした音を出す上を、あちこちへと飛び回っているような自由奔放なボーカリゼーションで素晴らしい。後半部分のローザイエメンはなんというかNYパンクとかその辺りの音と通じるものがある。ギターの単音や単純なリフを重ねていくところなんかヴェルヴェッツとかテレヴィジョンを思い出すし。ただ前半が最小限の音で素晴らしいファンクを聞かせてくれたのに比べ、後半はあまり完成度は高くないように思う。個人的には後半もかなりツボなんだけど、意図されてるほどにギターのループ感だとかがいい効果を出してるようには感じられなかった。この部分はちょっと好き嫌いが出るだろうと思う。
うん、ちょっとこれは素晴らしいアルバムだなぁ。うれしい誤算。