『QED 龍馬暗殺』高田崇史  

QED 龍馬暗殺 (講談社ノベルス)
年に一度の「QED」。帰宅してから早速読んでみる。毎回、殺人事件に絡めて歴史上の真実を暴き出すこのシリーズ。今回は「龍馬暗殺の黒幕は?」というものだがいまいちのめりこめなかった。前回の『竹取伝説』が非常にいい出来だったので期待が大きすぎたかもしれない。今回は現実の事件と歴史上の謎が上手くリンクしておらず、同じことから真相が分かるだけになっているような気が。現実の事件の謎解きはシンプルで真相が少し透けてしまうとはいっても、逆にすっきりとしていていい感じだと思う。暗殺の謎もシンプルに答えが出るんだけど、その説にあまり衝撃が感じられない。おそらく謎の性質上、最初に答えが数個の選択肢に絞られてしまうからだろう。そんなわけで僕の「QED」シリーズ中での評価は低め。作品として出来が悪いというわけではないんだけどなぁ。今年の「QED」は伊勢の話になると思ってたのに。来年こそはぜひ。