2日目(8月18日)

前日は明け方の四時頃に就寝したわけですが、翌朝は憎らしいほどに晴れ渡りまして、はいはいテントサウナテントサウナ。あっぢぃ。入り口を開けても涼しくならない(→デフォルト)ので、しぶしぶ起床。すでにシャワーを浴びてきてテンション高い友人と飲む。そのうち去年知り合った人やら初めて知り合う人を巻き込んで、シアターブルックをバックに飲む。14時前になってようやく会場にそれぞれ繰り出す。と言っても特に目当てのない僕は、とりあえず一番好きなレッドに行ってビール。レッドではレピッシュなのだ。

LA-PPISCH@レッド

もはや超ベテランバンドというイメージのレピッシュ。なぜか蝦夷でよくライブを見てる気がするな。そしていつもパヤパヤはいい曲だな、という感想しか持たなかったりする・・・。今回もあまり変わらない感想で、もちろんかっこよくなくはないんだけど、どうにもいろんな部分で自分の趣味嗜好とは合わないなと思った。微妙なメロディのはしらなさが駄目なのかな?

その後、友人から連絡があったのでそのままレッド前に居座る。ミドリ見たかったけど、まぁいっか。正直どれくらいのキレッぷりかは想像がつくし。

オルケスタ・デ・ラ・ルス@レッド

ベテランサルサバンド。とりあえずまったりと楽しかった。別にサルサからほとんど外れてないので、意外性なんかはないけど、普段聞かないジャンルの曲でもあるので素直に楽しめた。でもVoはTHE おばちゃん!だったなぁ。友人と一緒に後方でゆるゆると踊りつつ。天気もいいし、すぐ後ろに店があるのでビールがすぐに飲める。調子に乗って立て続けに四杯ほどあけてしまう。これが後々に効いてくるのでありました・・・。

終演後はサンステそばのトイレに向かう。途中で旭川からの友人に偶然遭遇。結局彼女との遭遇もこの一回のみ。サンステに向かうと聞き覚えのあるギターリフが。あぁアジカンだ。ただ正直、驚いた。題名は知らないけれど聴いたことがある限りではリフの切れ味が命だったはずの曲でそのリフがなんともべったりとした演奏であぁほんとに演奏は下手なんだと嘆息。この辺りからトイレにやたらと人が並び始めてた。そのため一旦、テントに戻ることに。
テントにいた友人とのんびり。16時前にあらためてボア・エレカシ・ビギンと、その次のフライングキッズ・コーネリ・ダブアイヌというWESS死ねとついつい言いたくなるような被りに悩む。がボアはアイのオナニーだと考え、テントからの距離を考えビギンを、そして人の多さと楽しさを考えてダブアイヌを選択する。実は16時前にムーンに行ってボアのセットを確かめたんだけど、去年の朝霧と同じあの連結ギターみたいなのがあって、オナニー確定、と思ったのだった。で、結局ボアのライブはどうだったのかいね? 気持ちいい瞬間はあるライブだったのかいね? 

BEGIN@レッド

最高に良かった。ボアやエレカシと被ってる割には人がすごく多かったけれど、最初の方は後方で座ってノンビリ見ていた人が、ライブが進むに連れて徐々に腰を上げていって、座ってる人も幸せそうな笑顔でユラユラしてて、すごくピースフルな空気が出来ていた。ほんとに数曲の代表曲しか知らない自分だけど、グッドメロディが流れていて徐々に薄暗くなっていって人がライトに照らし出され始めてその中でみんな笑顔で手を挙げつつ思い思いに踊っていて・・・こう書くと普通の光景に見えるけどなんだかいろんなものが合わさってすごくいい空気が生まれていたと思う。Voの腰の低さ?卑屈さ?にも笑った。出てきてそうそう「すいません」てw 「島人ぬ宝」「かりゆしの夜に」、よかった、けど「涙そうそう」は素晴らしかった。涙出た。エレカシとボアを蹴ったオレ勝ち組、と思った。

BEGINの後は、当然のことながら矢沢のえいちゃんを見に行く。

矢沢永吉@サンステ

うん、ほとんど曲は知らない。永ちゃんをかっこいいと思ったこともない。でも(ハードルが低かったというのもあるかもしれないけれど)非常によかった。確かに曲は全体的に古臭い。陽水みたいに普遍的ともいえるような曲もないように思う。でもとりあえず矢沢ワールドがしっかりとできていて、触れたことのない自分には新鮮だった。あと永ちゃん歌うまい。声も出てるし。あれで58,9てのはビックリだわ。ただメンバー紹介のときに「○○よろしくぅ」というのと何曲か毎に「いくぜいくぜいくぜ」というのには笑ってしまった。まじで言うのねw アンコールはサンステの横に移動しつつ見る。グリーンのキャパを考えたらダブアイヌでも数十分前に行った方がいいと思ったし。最後はタオル投げ。これも見れて、ちょっと感慨無量。友人と待ち合わせをしてたけど、人が普通に多くて会えず・・・。

グリーンに向かう途中のレッドにはものすごい人。UA待ち。グリーンに行くと30分前にもかかわらず、すでに列が。リハのときには客を入れないてのもあるけんどさ。慌てて並ぶ。横の子と「ありえねー」と話しつつ数十分。予定より若干押しつつ入場開始。

DUB AINU BAND@グリーン

やばすぎた。トンコリの音色に特筆すべきところはあまりないけれど、ずっと音色を反復して重ねていってグリーンという閉鎖空間ならではの音空間を作り出してたと思う(特にラスト)。メロディにもさほど起伏はないから、正直、曲の構成やテンポによっては退屈になるときもあるんだけど(事実、中盤はちょっと寝そうになった)、ひたすらの反復がそれを快感へと向かわせて、気付いたら眼を閉じつつ頭を振って身体に音だけを充満させてた。いわゆる野外のステージではおそらくこうした感は味わえなかったと思う。このライブは音とステージが完全に組み合わさっていて素晴らしいものになってた。

半ば放心しつつ、テントに帰る。誰もいない・・・。というかBEGINの頃からずっと、寝不足+酒がたたったのか、どうも頭が痛かったのです。まぁ頭が痛いにもかかわらず、ビールを断たない自分が悪いとも言う。ポケーッとしてるとボヘミアンステージから耳慣れたギターが。dipっぽいギター。え?え?dip出てたっけ?と慌ててtimetableを確認。あぁqybだった。見に行こうか、と思うもすぐにステージ終了・・・。うつらうつらしてるとほどなく新しいバンドが始まる。なんだかやかましい。timetableを(ry あぁMJQか。つかこれ「ワルシャワ」じゃねーか! すげー。と思いつつまたまどろむ。と思うと今度は「虫」が始まる。うむぅ、意外なところで懐かしいものを聴いてしまった。この辺りから少し寒くなってきて上を羽織ってもちょっと寒いくらいに。
23時前になったので、アースの髭に向かう。後方からは「先天性労働者」が聴こえてくるw 「我々の歴史は階級闘争の歴史である。階級闘争の歴史とは敗北の歴史である。・・・・・」 これ遠藤ミチロウってのを知らない人が聞いたら笑っちゃうんじゃないかね。

髭@アーステント

正直言って、髭はあまりピンとこないバンドなのでステージの外のスクリーンでぼんやりと見る。うーん、やはりふ〜んという印象。いや、確かにいろんな要素を持ってきて上手いこと自分たちのものにしていて、立ち位置的には面白いバンドだと思う。ロックンロールとしか言えないんだけど、そこから妙にズレてしまうようなところとか、印象を言葉にするとどう考えても自分が好きなはずなんだけど・・・。おそらく同じフレーズなり何なりを反復する曲調なのに個人的に気持ちよさを感じないという点にあるんだろう、と見ながら思った。反復なのに気持ちよくないって!と思ってしまう。あとやっぱり曲がちょっと散漫に聴こえるのよね。それが髭なのだ、と言われるとそれまでだけど、たぶんこれから先もあまり変わらない感想を持つんだろう。

終了後に、友人と待ち合わせてしばし歓談。ちょうどバンプが終わるときで天体観測、ガラスのブルース、とまたもや懐かしい曲を聴けてしまった。この時、サン・アース側のトイレが全て使用不可ということを聞く。レッド前まで行って、友人はご飯、おいらはビール。懲りない。フリクションが始まったのを機にテントへ戻る。真剣に防寒具が必要になってきた。
テントに向かうと、トイレパンクのためにムーン、ボヘミアンのトイレに長蛇の列。この辺りでちょっと回りの雰囲気もヤバいという感じになってきてたように思う。男は草の陰で出来るからいいけど、ね。テントでは矢沢を最前近くで矢沢ファンに囲まれながら見た人の武勇伝を聞くw ブルーハーブを見たかったけど、グリーンでのenvyを見るためにあきらめる・・・。あぁそういやBLACK GANIONも見てないや。

oak@グリーン

2時半頃にグリーンに行くとoakがまだ演奏中。案の定、押してる。ただこのoakがなかなかによかった。ドラムとベースの2ピースで、ベースがサンプラーを使いながらハードコアとバキバキのリズムを組み合わせたセッションのようなことをしてた。セッションかどうかはわからないけど(セッションかもと感じたのは、既成の曲にしてはちょっとバラバラだったので)、意外にもこれが上手く合っていて、非常にかっこいい。中にあまり人もおらずスペースも丁度いい感じで、よろしかったです。

oak後はすぐにDJ BAKUが始まる。少しアングラなにおいがする曲をかけつつ、最後の方はテクったりしつつ。こちらもそれなりに踊れたけど、ちょっと長かったかな。途中からenvy目当ての人が次第に増えてきて、envyの知名度が上がっていることに驚く。まぁ去年はフジロック、今年はアラバキにも出たわけだし。

envy@グリーン

そしていよいよライブスタート。結局30分ほど時間は押してたと思う。持ち時間はわずか30分で、この尺でどういうステージにするのかに興味があったんだけど、最新アルバムからの3曲の合間に「左手」を加えたセットリスト。「SCENE」「A WARM ROOM」は最近の定番っぽい。もう少し音がこもるかと思ってたけど、予想以上にしっかりしたステージだった。「A WARM ROOM」はやっぱいい曲ですね。

envyの後はグリーンの外でボンヤリして過ごす。さすがに4時にもなると空が白み始めてきて、ふと気付くと朝焼けが綺麗に広がっていて、あぁ今年の蝦夷も終了なんだなと感じて感慨深く。そうこうしているうちにグリーンのトリが始まる。

TURTLE ISLAND@グリーン

グリーンのラストは愛知のバンド、亀島。事前にちょっと聴いた限りでは非常によろしげだったので、見に行ったんだけど。とりあえずバンドとしてはなかなかによかった。和太鼓やらサックスやら色んな楽器が使われて、曲調も日本的オリエンタル的な部分を取り入れたもので、とても受け入れやすい。ただステージがよかったかというと微妙。おそらくバンドのファンだと思うんだけど、前の方でものすっごい閉じた雰囲気を作り出してた。まぁよくある光景っちゃ光景だけど、ああいうのは死ねって思う。閉鎖的になったら面白いもんも面白くない。後方で踊りつつ憤慨しつつ。あ、そういえばこの時、横で踊ってた子がかわいくないけどかわいかった。

とまぁステージがそんな感じだった+最後はサンステで締めようと思い、曽我部恵一へ。レジャーシートの友人のところに行くと、友人は沈没寸前。

曽我部恵一BAND@サンステ

このバンドは5月に札幌に来たときに見に行ったけど(そん時は20時過ぎから0時過ぎまで演ったw)、今回のセットもそこから主な曲を抜き出した感じだった。「テレフォン・ラブ」で歌わせる部分や、アンコールに「LOVESICK」をするとことか。このバンドがトリってのはよかったと思う。しっかりと晴れた朝空の下で、普通に、ほんとに普通にさらっといい曲を歌う曽我部、大トリにふさわしいと思った。ライブ中に、今日で東京に帰る友人に慌てて会いにいって、「青春狂走曲」を歌いあう。アンコールをやって蝦夷、全て終了。WESSの挨拶で締め。お疲れ。

例年通り、だらだらと片付け、だらだらと帰る。帰ってから眠くないのでスープカレーを食いにいく。カレーが出てくるまでに寝かける。カレーを食ってお腹を壊す。そんな感じでした。

ベストは一日目、ソウルフラワーユニオン。二日目、DUB AINU BAND。

以下、雑感。
トイレはいい加減、ノウハウを覚えろ。今年のフジなんて普通に洋式があったぜ。単純にすごいと思う。せめてパンクだけは止めてくれ。トイレを我慢するのはDIYじゃない。小便のときは流さない、混まないときに行くとかはするよ。来年、どうなってるか楽しみ。あと今年のグリーンが評判悪いけど、WESSのアナウンス不足と認識の相違って感じ。去年のグリーンの代替って考えるから不満が出るんであって、そもそも別物と思っていた(というか明らかに別物でしかないと思う)ら大して面食らわなかったんじゃなかろうか。それにしてもWESSの手際はいつになったら良くなるんだろうか。今年も入場の問題は改善されなかったし、トイレ問題もそうだし・・・。そろそろきちんとしないとそっぽ向かれかねないと思う。